ファクタリングの仕訳はこうする!勘定科目の基本ルールを税務対応まで解説
2026.01.09

ファクタリングの経理処理は何を基準に考えるべきか
ファクタリングの経理処理で最初に押さえたいのは、ファクタリングは売掛債権を現金化する手段だという点です。つまり会計上は、売掛金などの金銭債権を譲渡して資金を受け取る取引として整理します。ここが曖昧だと、勘定科目の選び方がぶれてしまい、月次や決算で数字の整合性が取りにくくなります。
実務では、ファクタリングの形態として二社間と三社間がよく登場します。二社間は売掛先に通知しない形が多く、三社間は売掛先に債権譲渡の通知や承諾が入る形が一般的です。どちらも売掛債権を資金化する点は同じですが、入金の流れが変わるため、仕訳の設計が少し変わります。まずはこの違いを前提に置くと、ファクタリングの仕訳方法が整理しやすくなります。
勘定科目の基本ルール
ファクタリングの仕訳でよく使う勘定科目は次のとおりです。会社ごとに科目の設計は異なるため、ここでは代表的な考え方として整理します。
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売掛金
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普通預金
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売上債権売却損 または 支払手数料
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未収入金 または 仮払金(差額や留保がある場合)
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預り金(二社間で回収を代行する形がある場合)
ポイントは、ファクタリング会社に支払う費用相当分をどう置くかです。実務上は、売掛債権を譲渡したことによる費用として売上債権売却損で処理する方法がよく使われます。一方で、社内の会計方針として支払手数料にまとめる会社もあります。どちらを採用しても、継続的に同じルールで処理し、月次で比較可能な形にしておくことが重要です。
仕訳例で理解するファクタリングの会計処理
ここでは分かりやすく、売掛金100万円をファクタリングで現金化し、差し引かれた費用相当分が10万円、入金が90万円だったというイメージで説明します。金額は例示であり、実務では見積書や明細に合わせて置き換えてください。
三社間ファクタリングの仕訳イメージ
三社間では、売掛先がファクタリング会社へ直接支払う流れになりやすいので、利用企業としては売掛金を消し込むことが中心になります。
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ファクタリング実行時の仕訳
借方:普通預金 900,000
借方:売上債権売却損 100,000
貸方:売掛金 1,000,000
この形は、売掛金を譲渡し、入金と費用相当分に分解して処理する基本形です。
二社間ファクタリングの仕訳イメージ
二社間は売掛先に通知しない形が多く、売掛先からの入金は一旦利用企業に入ります。そのため、資金化の仕訳に加え、回収後にファクタリング会社へ送金する仕訳が発生しやすい点が特徴です。
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ファクタリング実行時の仕訳
借方:普通預金 900,000
借方:売上債権売却損 100,000
貸方:売掛金 1,000,000 -
売掛先から入金があったときの仕訳
借方:普通預金 1,000,000
貸方:預り金 1,000,000 -
ファクタリング会社へ送金したときの仕訳
借方:預り金 1,000,000
貸方:普通預金 1,000,000
預り金を使うのは、売掛先から回収した資金が自社の売上入金ではなく、ファクタリング会社へ渡すべき資金として一時的に預かっているという整理に合うためです。
まとめ
ファクタリングの仕訳は、売掛債権の譲渡として整理するのが基本です。勘定科目は売掛金と普通預金を軸に、費用相当分を売上債権売却損または支払手数料で継続的に処理する形が実務でよく用いられます。二社間では回収と送金の流れが追加されやすいため、預り金を使って入金と送金を分けて管理すると、月次の整合性が取りやすくなります。
税務面では、金銭債権の譲渡として消費税の課税対象外と整理されることが多い一方、付随費用の内訳によっては取り扱いが変わる可能性があります。契約書と明細をそろえ、取引実態に沿った証憑管理をしておくことが、税務対応まで含めた経理処理の安定につながりますので準備は怠らないようにしましょう。


